『宮城 大崎 クマに庭で飼われていた犬が連れ去られる』
これは、個人が趣味でSNSやブログで投稿した記事の見出しではありません。NHKニュースの見出しです。
NHKと言えば、日本人の誰もが認める日本で最も権威のある日本語に熟知した報道のプロ集団・・・のはずなのですが、NHKの職員さんも人間です。こんな毎違いをすることもあるのですね。
その間違いについて、yahooニュースの記事でわかりやすく解説されていますので、その記事の一部を引用します。
10月29日 yahooニュース 「『日本語のレベルが低すぎ』NHKニュースのクマ被害の”見出し”が物議、手厳しい指摘続出」 より
問題の見出しとなった『クマに庭で飼われていた犬が連れ去られる』という表現は、文法的に見ると「犬がクマに飼われていた」とも読み取れる構造になっている。「庭で飼われていた犬」という部分が、前にある「クマに」と結びついてしまうためだ。
正しくは「庭で飼われていた犬がクマに連れ去られる」あるいは「庭につながれていた犬がクマに連れ去られる」とすべきところだった。助詞「に」の位置によって、意味が大きく変わってしまう典型的なケースといえる。
・・・助詞の使い方って難しいですよね。この記事で私も「助詞」の使い方を考えさせられました。
ですが、私、NHKさんの気持ちになって考えてみたのです。
今、全国的にクマの被害が多発していますので、連日テレビや新聞の報道では、クマ被害のニュースが大々的に取り上げられています。
そのため、NHKさんも記事のニュース性を考えて、読み手(視聴者)の関心を引くために、あえて見出しの冒頭に「クマ」を持ってきたのではないでしょうか。(おかしいのは承知の上で)
では、yahooニュースの指摘にあるように、見出しを「庭で飼われていた犬がクマに連れ去られる」あるいは「庭につながれていた犬がクマに連れ去られる」にすると、どうでしょうか。
それでは、見出し文の真ん中に「クマ」の2文字が埋もれてしまいます。
そのため、読み手(視聴者)の関心を引きにくくなると考えて、あえて冒頭に「クマ」を持ってきたと考えました。
そこで、私は考えてみました。
読み手(視聴者)の興味を引くために、冒頭に「クマ」を持ってこようと思ったら、「クマ」の後に「が」を持ってきて、『クマが庭で飼われていた犬を連れ去る』にしてみたらどうかなと考えたのです。
まだ『クマに庭で飼われていた犬が連れ去られる』よりも、読み手(視聴者)に誤解を与える度合いが少なくなるような気がするのですが、どうでしょうか。
今回の記事は、読み手に誤解を与えない「助詞」の使い方について考える良い機会になりました。




