それにしても……
『天声人語』って、文字がギッシリと詰まっているので読みづらいですよね。

この一見読みづらい『天声人語』
実は、読み手にやさしい・読みやすい文章で綴られているのです。
文字がギッシリと詰まっているせいで、読みづらさを感じるだけなのです。
では、本当に読み手にやさしい・読みやすい文章なのか、一手間かけて確認してみましょう。
ぜひ、手書きの後は一手間かけて、これからお話しする作業を行ってみて下さい。
①文字がギッシリ詰まった原文を、パソコンでwordに入力します(横書きでけっこうです)。
※キーボードの文字入力に苦手意識をお持ちの方へ。
この作業を毎日実践することで、タイピングのいい練習になりますよ。
②その文章を、段落「▼」のある場所で改行し、次の段落との間に空白行を入れます。
※段落と次の段落の間に空白行を作ることで、だいぶん読みやすい文章になりますよ。

③次に段落内でも1文毎に改行していきます。

これは、好みにもよりますが
④横書きが主体のウェブ上の文章では不要とされている“字下げ”をしてみてもいいでしょう。
字下げをしない場合に比べて、読みやすさが変わってきます。
※“字下げ”とは、段落や改行後の1行目の最初を1マス空けることをいいます。
『天声人語』でも、最初の1マスだけは空けていますよね。
……①②③(ついでに④の字下げも)を試して、ぜひ、元のギッシリ詰まった文章と読み比べてくださいね。
【参考】字下げをした文章です。


②③の字下げを施した文章を読んでみていかがでしたか。
字下げをしない文章よりも読みやすくなりましたよね。
ところで、③の文章を読んでみていかがでしたか。
『天声人語』は一文一文が短い、読みやすい文で作られているのがわかっていただけたと思います。
この1文の短さが、「『天声人語』のヒミツ その1」なのです。
実際に『天声人語』の1文は、どれくらいの長さなのかを調べてみました
令和8年1月14日の記事を例にあげてみます。
この日の記事は、17の文で書かれています。
そのうち30字以内が8文、31字~60字までが7文、61字を超える分はわずか2文しかありません。
その61字を超える2文のうちの1つは「」で囲まれた会話文です。
実は、この1文を短くすることは、文章のプロが文章作りで大切にしていることでもあるのです。
『文章術のベストセラー100冊』(藤吉豊 小川真理子 著)では、読みやすい文について、以下のように解説しています。
・1文の長さの目安は、「60文字」以内が好ましい
・ワンセンテンス・ワンメッセージ
センテンスとは「文」のこと。ひとつの文に入れる内容をひとつに絞ると、「一読で理解できる文」になる。
繰り返しになりますが、一文ごとに改行を施した③を見て、いかがでしたか
『天声人語』に綴られている一文も、この書籍で解説している「読みやすい文」の2つの条件に当てはまっているのがご理解いただけたと思います。
『天声人語』も、この「短い・読みやすい一文」が連続して一つの文章になっているのです。
こういったことは、読み手にやさしい・読みやすい文章作りで大切なことです。
ぜひ、これからの、あなたの文章作りの参考にしてください。


